配信用マイクおすすめ比較|初心者〜中級者が最初に選ぶべき4本はこれ
2026.08.20
目次
こんな場面、心当たりありませんか
配信を始めて数回、コメント欄に「声、こもってない?」「キーボードの音すごい聞こえる」と流れてきて、慌てて設定画面を開いた経験はないでしょうか。OBSの音声モニタリングでは気にならなかったのに、いざ本番で聞き返すと自分の声が部屋の反響を拾っていたり、ゲームの効果音に埋もれて聞き取りづらかったり。マイク自体は買ったばかりなのに、「これって設定の問題? それともマイクが合っていない?」と切り分けがつかず、深夜にレビューサイトを何十件も読み比べる——秘密結社 猫と肴の読者さんなら、一度は通る道だと思います。
マイクは「高ければ良い」わけでも「安いから失敗する」わけでもなく、配信スタイルとの相性で満足度が大きく変わる機材です。今回は初心者〜中級者が実際に候補に挙げやすい4本を、良いレビューと低評価レビューの両方から見比べていきます。
この記事が向いていない人
先に、この記事の対象外になりそうな方をお伝えしておきます。
- 歌ってみた・DTM用途で本格的なレコーディング音質を求めている方(コンデンサー型USBマイクでは限界があり、オーディオインターフェース+単一指向性の高感度マイクを検討したほうが近道です)
- 複数人でのコラボ配信を前提に、ミキサーで各マイクを個別管理したい方(本記事は基本的に一人配信・PC直結を想定しています)
- すでに2〜3万円台のマイクを使っていて、今の音質にほぼ満足している方(買い替えの優先度は低いかもしれません)
- ノイズや環境音をあまり気にせず、雑談配信の空気感を重視したい方(無指向性寄りの安価なマイクでも十分な場合があります)
選ぶときに見るべき基準は3つ
配信用マイク選びで比較すべきポイントは、スペック表の数字よりもむしろ「配信中にどう振る舞うか」です。
① 指向性とノイズの拾い方 単一指向性(カーディオイド)かどうか、感度がどれくらい高いかで、キーボード音やPCファンの音の入り方が変わります。感度が高いマイクほど声はクリアに録れますが、同時に周辺音も拾いやすくなる、というトレードオフがあります。
② 配信中の操作性(ミュート・ゲイン調整) 急な咳やインターホン、通知音への対応は、ワンタッチミュートがあるかどうかで反応速度がまったく違います。ゲイン調整もソフトウェア経由か本体ノブかで、とっさの操作しやすさが変わります。
③ 設置のしやすさと卓上の占有スペース 配信デスクは思ったより狭くなりがちです。マイク本体のサイズ、スタンドの安定感、アームへの移行しやすさも、長く使ううえでは無視できない要素です。
比較表
※価格・仕様は変更される可能性があります。購入前に販売ページで最新情報をご確認ください。
| 基準 | FIFINE K669B | HyperX QuadCast S | Elgato Wave:3 | Shure MV7 |
|---|---|---|---|---|
| 参考価格 | 約3,500〜5,000円 | 約10,000〜12,000円 | 約28,000〜30,000円 | 約36,000〜38,000円 |
| マイクタイプ | コンデンサー | コンデンサー | コンデンサー | ダイナミック |
| 接続方式 | USB-A | USB-C | USB-C | USB-C/XLR |
| 指向性 | 単一指向性のみ | 4極指向性切替 | 単一指向性 | 単一指向性 |
| 本体でのミュート | ダイヤル式 | タッチ式(RGB表示) | タッチ式 | タッチ式(本体) |
| 専用ソフト | なし | HyperX NGENUITY | Wave Link | ShurePlus MOTIV |
| 本体重量目安 | 約305g | 約254g(本体のみ) | 約470g | 約900g(スタンド別売) |
| 環境音の拾いやすさ傾向 | やや拾いやすい | 感度高めで拾いやすい | 標準的 | 拾いにくい |
商品ごとの解説
FIFINE K669B
4,000円前後という価格帯の中では、金属筐体の重量感とコスパの良さで評価されることが多いマイクです。向いている配信スタイルは、まず機材にお金をかけすぎずに始めたい雑談・ゲーム実況の入門機として。向いていない配信スタイルは、キーボードやマウスのクリック音を多用するタイピング配信や、静かなASMR寄りの配信です。感度の高さが逆に打鍵音を拾ってしまう場面があります。
HyperX QuadCast S
RGBライティングと4極の指向性切替(単一・全指向性・双指向性・ステレオ)が特徴で、見た目のブランディングを重視する配信者から支持されています。向いている配信スタイルは、ゲーム実況で「映える」デスク環境を作りたい方、複数人でのボイスチャット収録も視野に入れたい方。向いていない配信スタイルは、デスクスペースが限られている環境や、ビジネス寄りの落ち着いた配信(RGB発光をオフにできますが、本体サイズ自体が主張します)。
Elgato Wave:3
Wave Linkという専用ミキシングソフトで、ゲーム音・通話音・マイク音を個別に配信/録画用に振り分けられる点が強みです。向いている配信スタイルは、配信音声のミックスに凝りたい中級者、Discord通話をしながら配信音声だけ別調整したい方。向いていない配信スタイルは、複雑な設定を避けて「挿してすぐ配信したい」という方には、初期のソフト設定がやや手間に感じられるかもしれません。
Shure MV7
ダイナミックマイクのため口元に近づけて話す前提の設計で、環境音を拾いにくいのが最大の特徴です。向いている配信スタイルは、長時間のトーク配信、キーボード音や生活音が気になる自宅環境での配信。向いていない配信スタイルは、予算重視で始めたい方や、マイクから距離を取って身振り手振りしながら話すスタイル(ダイナミック型は近接効果が前提のため、離れると声が細くなりやすい)。
レビューで多かった不満とその対処
低評価レビューに共通して見られた傾向を、筆者なりに整理しました。
FIFINE K669B:「キーボード音を拾う」「ミュートにしても音が入っている気がする」という声が目立ちました。対処としては、マイクとキーボードの距離を離す、OBS側でノイズ抑制フィルタ(RNNoiseなど)を併用する、ミュート後は物理的にダイヤルを絞りきるところまで確認する、といった運用でカバーしやすい部類です。
HyperX QuadCast S:「感度が高く周辺音を拾いやすい」「マイクアームによっては軽くて不安定」という指摘がありました。指向性を単一指向性に固定し、マイクアームは重量のあるタイプを選ぶことで改善しやすい傾向です。
Elgato Wave:3:「専用ソフト前提の機能が多く、最初の設定がやや複雑」という声が一定数ありました。初回だけWave Linkのルーティング設定を丁寧に行えば、以降は迷わず使える、という書き込みも多く見られます。
Shure MV7:「価格が高い」「マイクスタンド・アームが別売りで追加費用がかかる」という不満が中心でした。ダイナミック型はゲインを稼ぎにくいため、声が小さめの方はオーディオインターフェースの併用でさらに聞き取りやすくなる場合があります。
状況別のおすすめ
- とにかく低予算で配信を始めてみたい方には、FIFINE K669Bが選びやすい候補になります。
- デスク環境の見た目や指向性の切り替えも楽しみたい方には、HyperX QuadCast Sが候補に挙がります。
- 環境音を抑えて長時間のトークを安定させたい方には、Shure MV7が有力な選択肢になりやすい傾向です。
買ったあと最初にやるOBS・機材設定のひと手間
マイクが届いたら、配信を始める前に次の設定だけは済ませておくと、初回配信でのトラブルを減らしやすくなります。
- OBSの「音声ミキサー」でマイクの音量を−12〜−6dB程度に収まるよう、ゲインを調整する(大声を出したときにピークで赤くならないか確認)
- フィルタに「ノイズ抑制」(RNNoise推奨)と「ノイズゲート」を追加し、無音時に環境音を拾いすぎないようにする
- マイクの位置は口元から10〜15cm程度を目安に固定し、配信中に動いても極端に音量が変わらない距離を探る
- 一度5分ほど試し録りをして、自分の声だけでなくキーボード音やPCファンの音がどの程度入るかを確認する
この4つを最初に済ませておくだけで、「配信を始めてから音量調整に追われる」状況はかなり減らせるはずです。